notes

20210205

2021.2.5


原書の題名は『Braiding Sweetgrass』

表紙の絵は、スイートグラスを編んだもの。


地とつながる、自然をみつめるひとたち。

感じることだけでなく、感覚のもうすこし先の、真理のようなものも見据えているような気がする。

わたしたちが、忘れかけているもの。

いいかげんほんとうに、わたしたちは言葉を変えていかなければいけないのではないかと思う。

主語をわたしたち人間から

「地球」「自然」「生きるもの全て」に。


500頁ほどのずっしりとした本なのだけれど、すこしずつ読んでゆくと、うつくしい世界と出会う。

見えないものを手繰り寄せるように、またゆっくり読みはじめている。


ちょうど一年前にこの本を読み終えたとき残した言葉。



先に読んだ『オーバーストーリー』(リチャード・パワーズ)から、木に導かれ出会った本。


レシプロシティ。

自然のなかに学ぶ、その哲学。

地球(自然)と人間との間の互恵性。

利益でなく、伝統の儀式のなかにあったような、感謝や尊敬、責任。大きな世界をつなぐ環。


植物学者でネイティブアメリカンのロビン・ウォール・キマラーが、森の奥へ、消えかける時間へと誘ってくれる。


地で出会うもの、命の響きあいや、その生命の物語に、わたしも胸がいっぱいになる。

地球からの贈り物はとてつもなく大きく、そして、失ったものも等しいくらいに大きい。


「私たちは世界に、そして世界は私たちの中へと溢れ出すのである。」


関わり合う世界、生命の音が鳴っている。

その響きあいに耳をかたむける。

しなやかな語り、歌のように深い記憶に届く言葉が、ちいさな火を灯す。



(樹々は互いに魂でつながっている)